心が動いた話

「明日への言葉」を含め、ラジオやテレビ番組の感想を書いています。

反省と後悔ぐらい脳に悪いことはない。

「明日へのことば」を聞きました。






私は、統合失調症の友人を
二人亡くしています。


どちらも
20歳半ばで
自死しました。
二人とも、首を吊ったようでした。


そして二人とも
頭の良い青年でしたが
病院では
「分裂病」と診断されたことがあり
入院歴もありました。



「統合失調症」という言葉は
「分裂病」に代わって
新しく出てきた言葉です。


統合失調症というのは
幻聴、幻覚が症状の現れると
聞いたことがあります。
けれど
この二人は
幻聴も幻覚もなかったようです。



25歳で自死した青年は
入院させられたことをとても
悔しがっていました。


重い薬を飲まされて
口もきけない状態だったのに
「幻覚・幻聴はありますか?」と
質問されたことが腹が立ったと言っていました。


24歳で自死した青年は
もう緩解したと判断され
退院したのですが
不安で、再度、入院したいと言ったところ
病院から、その必要はないと言われて
ずっと家に引きこもっていたようです。




二人とも
ぎりぎりまで
生きることに何らかの希望を持っていたように
感じていました。


けれど
死期が近づくにつれ
心を固く閉ざしていきました。


彼らを
病院は救うことができなかった。。。


むしろ
病院は彼らの希望を奪うことに
結果的には加担してしまったように
私には感じられました。



そして私自身も
彼らを
「生」に繋ぎ止めておく力に
なれなかった。。。


「反省と後悔ほど脳に悪いことはない」という言葉を
知らなかった若いころの私は
ずいぶん自分を責めました。




そして
もう、知人から
自死者を出したくないという思いが
私をカウンセリングの勉強に向かわせました。









今、私が思っていることは

精神科の診断を受けたことのある人が
自尊の感情を取り戻すためには
とても長い時間がかかるということです。


糸川さんのような
感覚を持った医者に出会える確率は
おそらくとても低いのではないか、


病院が心の苦しみを治す場所にはならずに
むしろ
自尊の心をもぎ取ってしまう場所になりがちではないかと
ずっと思ってきた私にとって
糸川さんのような
人間の尊厳を大切にできる医師の存在は
暗闇の中で見つけたかすかな希望に思えました。